映画『百姓の百の声』は雑誌『現代農業』に登場する農家13人の技術や知恵、生きざまを追いかけた作品です。例えば、600種類のイネを自家採種する上野長一さんや、技術を惜しげもなく伝え新規就農者を育てるキュウリ農家の山口さんの言葉や身振りから伝わる「百姓の知」は誌面とは一味違った新鮮さがあります。この映画は柴田昌平監督のオリジナル作品で、農文協の作品ではありません。

 しかし今、農文協はこの映画を世の中に広めたいと、全面的にバックアップしています。一つは、この映画には『現代農業』の精神が宿っていること。二つめは、その『現代農業』の精神(=農家の精神)を、この映画を通じて、今までなかなか届かなかった農外の広い層に届けることができるかもしれない、と思うからです。

 農文協の基幹雑誌『現代農業』は、農家が作る農家の雑誌です。100年を超えて農家に読み続けられてきました。知恵を発見し共有する農家、農家の代わりに『現代農業』を作る編集部、スーパーカブに乗り『現代農業』の読者層を開拓しながら話題集めをする普及(営業)職員。三者の間で実践と話題が循環することで『現代農業』は形作られています。『現代農業』の精神が詰まった『百姓の百の声』をぜひご覧いただけると幸いです。