報告)連続講座「耕さない農業」を開催しました
第1回 草を生やして耕さない。がんばらなくても土が育つ
2025年1月28日(火)15:00~17:00 開催
●小松﨑将一氏(茨城大学農学部附属国際フィールド農学センター教授)
●松澤政満氏(農家・愛知県新城市)
土を耕さず、また草を生やして土を覆うことで炭素貯留や土壌の団粒化、生物相の改善など、土の健康の回復や健全な作物の生育につながる新しい農業の形が注目されています。
不耕起・草生栽培を数十年前から実践および研究してきた愛知県新城市の農家・松澤政満さんと不耕起草生栽培研究の第一人者である小松﨑将一先生(茨城大学教授)が登壇しました。
松澤さんは、草はドラム缶を転がして倒すだけ、ウネ立てや覆土などの作業もほとんどないという驚きの栽培法を紹介。背後には「農業は自然を模倣すること」など深い洞察と哲学も。松澤さんのもとに通って農法を科学的に検証してきた小松﨑先生は、研究者の視点から松澤さんの実践を科学的に裏付けて解説しました。
名コンビの刺激的な共演です。



講座の動画をゆっくりご覧いただくことができます。2025年11月30日まで
第2回 大地再生農業の現場から
2025年2月27日(木)15:00~17:00 開催
●レイモンド=エップ氏・荒谷明子氏(メノビレッジ長沼)
●「大地再生の旅」メンバー農家の皆さん
「大地再生(リジェネラティブ)農業」の先端地・北海道での出張開催。『現代農業』でおなじみのレイモンド・エップさん、荒谷明子さん夫妻と4人の若手農家が登壇し、実践報告しました。
レイモンドさん、明子さんは「土の攪乱を減らし、生きものをなるべく殺さない」など大地再生農業の7原則を紹介。「大事なのは考え方(マインドセット)の転換」と強調します。さらに両氏を中心としたワークショップ「大地再生の旅」メンバーである4人の若手農家は不耕起播種機の導入、ヒツジの放牧、ミックス緑肥など四者四様の取り組みを報告。
大地再生農業の広がりと可能性を感じさせました。


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第3回 不耕起栽培×ソーラーシェアリング ミミズも大活躍!
2025年3月26日(水)14:00~16:00 開催
●金子信博 氏(福島大学特任教授、横浜国立大学・福島大学名誉教授)
●東光弘 氏(市民エネルギーちば㈱代表取締役)
『月刊 現代農業』2025年3月号(特集:ミミズは偉大だ!)でも大活躍の土壌生物の第一人者としておなじみの福島大学名誉教授・金子信博先生と、千葉県匝瑳市でソーラーシェアリングによる耕作放棄地再生に不耕起栽培を組み合わせた実践家の東光弘さんの共演。
金子先生は、土中には地球上の野生哺乳類をはるかに上回る量のミミズがいて土を作ってくれいていることをはじめ、その偉大な役割をわかりやすく解説。東さんは、ソーラーパネルと不耕起の組み合わせが、メタンを抑制でき、地球沸騰化時代の持続可能な農業の形ではないかと研究と実践を重ねています。
太陽光と草、土壌生物という自然の力を活かしきった新しい農業のやり方に夢がふくらみます。



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